テンションとモチベーションの違い
テンションとモチベーション、この2つは無意識のうちに混同して使うことが多いですが、全く別物です。
この区別と使い分けができると、物事の習慣化や、目標達成が実現しやすくなります。
その過程で「自分は出来る」と心から思え、自己肯定感も高まるので、いいことずくめですね。
お馴染みの「ハードル」はキーポイントですから、きちんと区別をし使い分けをしましょう。
【テンションとモチベーションは別物】
日常生活の中で色々な人と話していると、
「モチベーション上がりました」
「テンション下がったわ~」
といったセリフはよく耳にしますよね。
無意識のうちに区別せずに使いがちなこの2つですが、
実は明確な違いがあるのです。
テンション=熱しやすく冷めやすい
テンションとは、「短期的なやる気」を指します。
その特徴として、
簡単に高めることが一方、長続きしにくい。
試合を戦い抜くとか、気合を入れて月末の多忙を乗り切るなど、一時的に力を発揮する際に上下します。
一時的にテンションを上げるべき場面は必ずあるものですが、これだけでずっと長期にわたって活動するのは難しいです。
モチベーション=上がるのも下がるのも時間がかかる
これに対し、モチベーションとは「長期的なやる気」を指します。
その特徴は、テンションとは真逆といえます。
高めるのに時間はかかる一方、一度高めてしまえば下がりにくい。
「価値観」や、あらゆる行動選択の土台になる「やる気」で、外部的な要員(誰かから励まされたりする等)ではなく、自分で決めた行動とそれに伴う結果から少しずつ高まっていきます。
例えていうなら、筋肉が筋トレを始めてすぐに大きくなるのではなく、走るうちに筋肉がついてくるイメージです。
例えば、「仕事のモチベーションはなんですか?」と聞かれた時、
「お客様が喜んでくれるのが何よりのモチベーションです」
「子どもの頃に病気でお医者さんに助けてもらったのがキッカケで、私は医者になりました」
といったように、その人の行動や言葉の根っこにあるものです。
下手くそな手書きの絵ですみませんが、イラスト化するとこんなイメージですね。

【テンションに振り回されていませんか?】
物事を習慣化するのに失敗する人は、
ほとんど例外なく「テンション」に振り回されています。
具体例をあげますと、
例1)
通販番組で「楽に痩せる最新ダイエット機器」を見た時、「これならできそう!」と思ってすぐさま購入するとします。しかし結局、3日も経たないうちに機器を使わなくなり、またタンスの肥やしコレクションが一つ増える。。
例2)
早寝早起きの生活のリズムが大事だと聞いて奮起し、いつもよりも1時間早く寝ようと試みたものの、きちんと起きることが出来たのは最初の2日間だけ。結局、仕事だ飲み会だと夜更かしする日も出て、なかなか習慣として定着しない。。
この2つの例は、よくありがちな話ですよね。
共通している原因としては、一時的に高まったテンションにより、
「”できないレベル”のことを”できる”と判断して自滅している」
「そのタスクが、”やる気”を遥かに上回ってしまっている」
ことが挙げられます。上の2つの例でいえば、
「これならできそう!」と思っている時点で、
テンションの方が最高潮に達しているわけです。
このブログで繰り返し説明している表現で言い換えるなら、
「ハードルがあまりにも高すぎる」
からこそ、高まったテンションが急激に下がってしまった時に、
やる気の維持ができなくなってしまうわけです。
【継続するには、テンションに頼らない】
テンションに振り回されずにすむ唯一の方法は、
「ハードルを下げ、それを継続すること」
これ以外にありません。
先程の例でいえば、毎日1時間早く寝るのはハードルが高いので、
最初は10分だけ早く寝て、10分早く起きるようにしてみる。
それを1週間継続出来たら、今度は試しに20分ずらしてみる。
さらに1週間できたら、、、
最終的に、ほとんど無理なく1時間ずらす習慣が身に付きます。
「そんなチマチマやっても、続ける意味ないんじゃないの?」
と思う方もいるかもしれませんが、
下げたハードルでも継続していく内に、
「これならできた!今度は~で試してみよう!」
という風に自然と意欲がわいてくるのです。
こうして、外から焚きつけられたわけではなく、
自分の意志で、自然に湧いてくる意欲こそが、
モチベーションにほかなりません。
【モチベーションを高める=自己肯定感が高まる】
自然に意欲が湧いてくるということは、
自分ならできるかもしれない、と心から思っているということです。
自分を信じることが出来ているということです。
つまり、「自己肯定感」が高まっているのです。
逆に、テンションに振り回されてばかりいると、
「自分で決めたことをまた続けられなかった」
「なんて自分に甘いダメ人間なんだ」
と、自分を受け入れることが出来ないので、
結果的に望む結果を出すことは出来ず、
新しい挑戦をする意欲もなくなってしまうのです。
自分の「やる気」を遥かに超えているタスクを
自分に課してしまっていると思ったら、
迷わず「ハードル」を下げ、継続ができる習慣を
身に着けていってほしいと思います。